むくの木では、自然環境に身を置くことを大切にしています。
熊谷乳児園もつめくさ保育園も園庭には遊具を置かず、赤土を敷き詰めて大きな築山があります。
子ども達は園庭をはだしで歩き、山を大きくして泥滑りをしたり、植栽から木の実をとってままごとをして遊びこみます。
素足で土を踏みしめて、全身の力をつかって滑り台を作ったり、木の実や土を食べ物に見立てて想像力を働かせて遊びこみます。
遊び方の決まっていない自然素材だからこそ広がっていく遊びが子どもの体も心も育てます。
園内だけではなく、公園や河川敷で虫やカニをつかまえて、季節ごとの花を摘んで、日本ならではの四季の移り変わりを体と心全体で感じることができます。
もう一つ、自然素材を大切にすることは豊かな実体験を積むことにも通じます。
現代はスマートフォンやタブレットの普及により、世の中のあらゆることが疑似体験できるようになりました。「まるで本物のような」疑似体験をすることで、家にいながら何でもできつつあります。
しかし、乳幼児期に大切なのは疑似体験ではありません。
自分の手で土をこねたり、実際に春の花の香りをかいだり、鳥の声を聞いたり、冬の寒さを肌で感じたり、五感をいっぱいに使って体験することが、人生の中でとても重要なことです。実際に自分で感じて実体験を積む喜びは、色々なことをまず自分でやってみようという意欲や挑戦する気持ちにつながっていきます。
むくの木では、子ども達のからだの育ちと心の育ちを支えるために、自然環境の中で保育を行うことを大切にしています。